ワークショップ開催案内
21世紀の情報公開型社会において,統計学の役割は益々重要視されてきております。とくに学校教育の現場で統計教育の充実が望まれており,適切な統計教育の内容と水準,教育方法等に関する研究の推進が必要となっております。そこで,全国の統計教育の関係者が一同に会する場を提供する目的で,日本統計学会統計教育分科会および日本統計学会統計教育委員会が,数学教育学会,全国統計教育研究協議会,科研費基盤研究(A)「データ科学の新領域の開拓―文化財データ解析―」(代表:村上征勝),科研費基盤研究(B)「教育の情報化・国際化に即応した統計教育とカリキュラムシステムの開発研究」(代表:渡辺美智子)の共催のもとに,上記の「第 3 回統計教育の方法論ワークショップ」を開催致します。
会長 渡辺美智子(東洋大学)
日本統計学会統計教育委員会
委員長 村上征勝(同志社大学)
ワークショップ運営
このワークショップでは,毎年,具体的なテーマを決め,そのテーマの下で,広く教育方法に関する成果の発表を募集します。とくに,小学校の児童・生徒および中高の生徒を対象に統計教育に関っている教師の方や,大学等高等教育機関で統計教育を担当している教員の方,さらには,ひろく社会人への高度専門職能教育の一環として統計教育に携わっている方々に,教育方法の実践的研究とその成果を発表していただき,相互の情報交換や交流を深める場として,本ワークショップを活用していただきたいと考えています。
また,統計教育全般の質的向上を図り,統計教育に関する業績についての評価システムを確立するため,ワークショップ参加者への継続的専門職能開発訓練プログラム(CPD)の証明を行います。特に優秀と認められた研究報告については,日本統計学会が設ける統計教育賞への推薦も併せて行うと同時に,その内容を統計教育に関する電子ジャーナルにおいて公表します。
- 第 1 回(2004年度)のテーマ
- 「総合的学習における統計リテラシーの育成〜グラフと数字をみる力〜」
- 第 2 回(2005年度)のテーマ
- 「統計教育の達成目標をさぐる〜リテラシーから統計的推論力,課題解決力へ〜」
に引き続き,今回は以下のテーマを企画いたしました。
- 第 3 回(2006年度)のテーマ
- 「アクションに繋がる統計教育〜人文科学領域での実践と文化遺産の継承〜」
とくに今回は,韓国,中国,台湾など,アジア諸国の大学で統計教育を推進されている先生方をお招きし,特別講演をお願いしております。
また今後の文系の統計教育のあり方の参考とするため,文化財研究の領域でのデータ分析の現状についての特別講演とパネルディスカッションも計画しております。
これらの特別講演に加えて本ワークショップでは,統計リテラシーの教育に関する具体的な話題を種々の角度から議論するために,一般講演として,皆様からの新たな教育方法への提案,これまでの統計教育の成果や今後の課題,問題提起などを幅広く歓迎したいと考えております。発表申込みも含めまして奮ってご参加いただけますようよろしくお願い申し上げます。
なお,このワークショップには,日本統計学会の会員でなくても,発表申し込みおよび参加ができますので,多くの方のご参加をお待ちしております。
プログラム
3月3日(土) | |
【教育方法事例報告】 | |
11:00〜11:20 | 京都教育大学 渡邉 伸樹 小学校における「統計教育」のカリキュラム構築へ −高学年における教育実践をもとに− |
11:20〜11:40 | 杵築市立豊洋小学校 安藤 謙一郎 ごみはどこへ |
11:40〜12:00 | 名古屋市立港南中学校 竹内 俊哉 メダカの生態づくりを通して |
< お昼 休憩(60分) > | |
13:00〜13:20 | 京都府立東宇治高等学校 種村 篤 教科「情報」で活用できる数学教材の開発 −実践力をつける統計分野の利用実践例− |
13:20〜13:40 | 山梨大学 教育人間科学部 附属教育実践総合センター 成田 雅博 高等学校及び大学教養課程における2項分布にしたがう現象を題材とした統計的仮説検定に関する教材開発 |
13:40〜14:00 | 河合塾コスモコース数学科講師 吉田 一 センター試験英語のグラフ読み取り問題を統計教育から見ると |
14:00〜14:20 | 東京大学大学院経済学研究科 尾鷲 瑞穂 図書館サービスにおける統計情報とその教育の必要性 −資料保存に関わる活動を中心として− |
< 休憩(20分) > | |
14:40〜15:10 | 講 演 二宮智子(玉川大学), 深澤弘美(東京医療情報大学), 渡辺美智子(東洋大学) 日本における統計教育の現状と国際標準に向けたカリキュラムへの提言〜アクションに繋がる統計教育への転換の必要性〜 |
< 休憩(10分) > | |
【特別企画セッション】「アジアにおける統計教育」 | |
15:20〜16:00 | Jae Chang Lee (Korea University) "Cooperation between Korean National Statistical Office (KNSO) and Academia in Statistics Education--a Korean Experience" |
16:00〜16:40 | Taerim Lee (Korea National Open University) "Web Based Biostatistical Education Hub for Far East Asian Region" |
< 休憩(10分) > | |
16:50〜17:30 | 袁 ヱ[Yuan Wei](中国人民大学) "The Current Status of Statistics(or Data Sciences) Education in China" |
3月4日(日) | |
「文化遺産データの分析と教育・普及」 | |
10:00〜11:00 | 講 演 村上征勝(同志社大学) 浮世絵の形状データ取得と数量分析 |
11:00〜12:00 | 講 演 津村宏臣(同志社大学) 文化遺産教育・普及と公開のためのSTIS(GIS)の開発 |
12:00〜12:10 | 閉会の挨拶 |
参加について
- 参加に関して事前の申込みは不要で,参加費は無料となっております。参加証明書を用意しておりますので必要な方は,当日,受付に,身分証明書をご提示の上,お申し出ください。
その他
- 会場の情報はこちら(京田辺校地)をご覧下さい。
ワークショップのポスターはこちらをご覧下さい。
事務局・申込み先
- 第 3 回統計教育の方法論ワークショップ 事務局
- 鹿児島純心女子短期大学 生活学科 末永勝征
E-mail: jim@stat.sci.kagoshima-u.ac.jp(ワークショップに関する問合せ)