ワークショップご案内と発表募集
実行委員長 成蹊大学 中西寛子
「問題解決力」と呼ばれる能力が社会で必要とされています。そのためにはデータを読み取る力,統計リテラシーを身につけることが重要です。文部科学 省が発表した学習指導要領では小学校・中学校における算数・数学に統計に関する項目が多数取り入れられました。また,高等学校の数学において,統計が必修 になるなど統計教育に対する期待が社会全体に広がっていると言えるでしょう。
このような時代的要請の中で,初等・中等教育,高等教育および専門社会人教育そして生涯教育に至る様々な教育の場で,統計教育の充実は緊急の課題となっており,そのための適切な統計教育の内容と水準,教育方法等に関する研究の推進が必要となっております。
そこで,全国の統計教育の関係者が一同に会する場を提供する目的で,日本統計学会統計教育分科会および日本統計学会統計教育委員会,その他の研究会 の共同主催で,広く教育方法に関する実践研究の成果を発表し,相互に討議する場として『統計教育の方法論ワークショップ』を開催しております。過去 5 回のワークショップのテーマは,以下の通りです。
- 第 1 回(2004年度)のテーマ
- 「総合的学習における統計リテラシーの育成〜グラフと数字をみる力〜」
- 第 2 回(2005年度)のテーマ
- 「統計教育の達成目標をさぐる〜リテラシーから統計的推論力,課題解決力へ〜」
- 第 3 回(2006年度)のテーマ
- 「アクションに繋がる統計教育〜人文科学領域での実践と文化遺産の継承〜」
- 第 4 回(2007年度)のテーマ
- 「知識を生み出す統計教育への挑戦−プロジェクト型学習を通した統計活用力の育成−」
- 第 5 回(2008年度)のテーマ
- 「データ活用のための授業モデル−新学習指導要領のための環境整備と協働型学習への展開−」
今年度は,
社会の期待に応える統計教育の構築
−「資料の活用」から「データの分析」をどう教えるのか−
をテーマとして,下記の内容で2日間に分けて開催いたします。
1日目 「統計教育の新展開」
コーディネーター:渡辺美智子(東洋大学),江口真透(統計数理研究所)
2日目 「統計教育における指導力の向上」
コーディネーター:中西寛子(成蹊大学),藤井良宜(宮崎大学)
身の回りの問題を統計的課題として設定し,課題に応じたデータの収集からデータの解釈,課題解決に向けた提案を行う一連の課題解決型の統計教育を目 指した取り組みを取り上げます。皆様からの新たな教育方法への提案,これまでの統計教育の成果,今後の課題,問題提起など幅広い発表を歓迎しております。 奮ってお申し込みください。
なお,このワークショップには,日本統計学会の会員でなくても,発表申し込みおよび参加ができますので,多くの方のご参加をお待ちしております。
ワークショップ運営
本ワークショップの場を活用していただき,小学校の児童および中学校,高等学校の生徒を対 象に統計教育に関っている教師の方や,大学等高等教育機関で統計教育を担当している教員の方,さらには,ひろく社会人への高度専門職能教育の一環として統 計教育に携わっている方々に,日頃の教育成果の発表や相互の情報交換や交流を深めていただければ幸いです。
また本ワークショップにおいては,統計教育全般の質的向上を図り,統計教育に関する業績に ついての評価システムを確立するため,ワークショップ参加者への継続的専門職能開発訓練プログラム(CPD)の証明を行います。また,特に優秀と認められ た研究報告については,日本統計学会が設ける統計教育賞への推薦も併せて行うと同時に,その内容を統計教育WEBサイトにおいて公表します。
プログラム 3月5日(金)「統計教育の新展開」
コーディネーター:渡辺美智子(東洋大学),江口真透(統計数理研究所)
14:00〜15:30 | <初等中等教育>
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【総合質疑】 | |
15:40〜18:00 | <大学入試と大学・大学院等の統計教育>
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【総合質疑】 |
プログラム 3月6日(土)「統計教育における指導力の向上」
コーディネーター:中西寛子(成蹊大学),藤井良宜(宮崎大学)
10:00〜12:00 | ■□セッションI 「資料の活用」と「データの分析」の授業を考える |
講演I | 「資料の活用」領域における教材開発と授業実践〜PPDACを重視した授業実践の試み〜(スライド) 新井 仁(長野市立柳町中学校)(原稿:PDF 1.0MB) 討論者 竹内 光悦(実践女子大学) |
講演II | Web上の都道府県別データから2変量の関係を見る(スライド) 〜現行学習指導要領下の生徒に対する実践から〜 菅野 栄光(愛知県立半田高等学校)(原稿:PDF 1.2MB) 討論者 藤井 良宜(宮崎大学) |
13:00〜14:20 | ■□セッションII 特別講演 |
Developing Statistical Literacy in Australia(スライド) Christine Sergi(オーストラリア統計局教育支援課) 通訳・解説 青山 和裕(愛知教育大学) | |
14:30〜16:00 | ■□セッションIII 教育方法事例報告(1) |
事例1 | 小学校における課題解決型統計学習の実現の可能性とその障壁(スライド) 川上 貴(聖徳学園小学校) |
事例2 | 統計的手法を利用した環境教育の実践(スライド) 横須賀 篤,宮田 諭志(さいたま市立道祖土小学校) |
事例3 | 社会科における統計的な能力の育成 浅倉 里美(さいたま市立城北小学校) |
事例4 | めざせ8020大作戦!〜統計的な考え方を取り入れた歯みがき指導を通して〜(スライド) 林 徹(市原市立清水谷小学校) |
16:10〜18:00 | ■□セッションIII 教育方法事例報告(2) |
事例5 | 実データをもとに現実事象を考察させる授業実践(スライド) 〜国民生活基礎調査のデータから所得の分布傾向を考える〜 中本 信子(筑波大学附属中学校) |
事例6 | 「資料の活用」における生徒が探求する授業の研究(スライド) 西仲 則博(奈良教育大学附属中学校) |
事例7 | 根拠に基づく代表値の意味理解を深める指導事例(スライド) 小池 徳男(信州大学教育学部附属長野中学校) |
事例8 | 「資料の活用」におけるSimpleHistを用いた授業実践例(スライド) 岡留 優介(広島大学附属中・高等学校) |
事例9 | 授業改革フェスティバルにおける数学科公開授業「データの分析でバトル」(スライド) 佐治 嘉隆,国本 考史(岡崎城西高等学校),西田 有佑(東海学園高等学校) |
参加について
- 参加に関して事前の申込みは不要で,参加費は無料となっております。参加証明書を用意しておりますので必要な方は,当日,受付に,身分証明書をご提示の上,お申し出ください。
その他
問い合わせ
- 第 6 回統計教育の方法論ワークショップ
- 実行委員長 成蹊大学 中西寛子
- 日本統計学会統計教育分科会
- 主査 宮崎大学 藤井良宜
- 日本統計学会統計教育委員会
- 委員長 東洋大学 渡辺美智子
- 第 6 回統計教育の方法論ワークショップ事務局
- 事務局 実践女子大学 竹内光悦
- 鹿児島純心女子短期大学 末永勝征
- E-mail:jim@stat.sci.kagoshima-u.ac.jp (ワークショップに関する問合せ)