第 8 回 統計教育の方法論ワークショップ

The 8th Japan Conference on Teaching Statistics (JCOTS12) March 2-3, 2012 in Tokyo

統計思考力の育成とその評価〜高校入試・大学入試でのアプローチ〜
―問題解決力育成を目指す統計教育の方法論に関する研究集会―

日時 平成 24 年 3 月 2 日(金)13:00〜17:30
平成 24 年 3 月 3 日(土)10:00〜18:00
場所 一橋大学(東京都国立市中 2-1),国立キャンパス,東 2 号館 2F 2201 教室
主催 日本統計学会統計教育分科会
日本統計学会統計教育委員会
情報・システム研究機構統計数理研究所(共研究課題番号:23-共研-5012)
共催 統計関連学会連合統計教育推進委員会
全国統計教育研究協議会
数学教育学会
日本品質管理学会 TQE 特別委員会
東京理科大学数学教育研究所(理数教育研究センター数学教育研究部門)
高校数学・新課程を考える会
平成 21-23 年度科学研究費基盤研究(B)
(研究課題:知識基盤社会を支える統計教育の新展開-小中高と大学・社会を繋ぐ
教育システムの研究 (研究代表:渡辺美智子))
平成 23 年度科学研究費若手研究(B)
(研究課題:問題解決力育成を目指す統計教育の授業運営と評価の枠組み (研究代表:竹内光悦))
後援 日本数学教育学会
理数教育研究所

更新日:平成 24 年 4 月 3 日

ワークショップご案内と発表募集


第 8 回統計教育の方法論ワークショップ
大会委員長 一橋大学 渡部 敏明
実行委員長 実践女子大学 竹内 光悦

平成 24 年度,いよいよ新学習指導要領の全面実施が始まります.本ワークショップをはじめ,関係学会・研究会などでは,国内外の統計教育の理念や事例に触れ,さまざまな授業法や教材開発を行ってきました.最近では,実施後の入学試験にも議論の対象が広がってきています.また今回の変更を受け,統計思考力の育成やその評価方法を考え,次の学習指導要領の改訂に向けた検討も始まっているとも聞きます.

そこで関連学会・研究会の共同開催として全国の統計教育の関係者が一同に会する場を提供する目的で,日本統計学会統計教育分科会および日本統計学会統計教育委員会,その他の研究会の共同主催で,広く教育方法に関する実践研究の成果を発表し,相互に討議する場として『統計教育の方法論ワークショップ』を開催しております.過去 7 回のワークショップのテーマは,以下の通りです.

第 1 回 (2004 年度) のテーマ
「総合的学習における統計リテラシーの育成〜グラフと数字をみる力〜」
第 2 回 (2005 年度) のテーマ
「統計教育の達成目標をさぐる〜リテラシーから統計的推論力,課題解決力へ〜」
第 3 回 (2006 年度) のテーマ
「アクションに繋がる統計教育〜人文科学領域での実践と文化遺産の継承〜」
第 4 回 (2007 年度) のテーマ
「知識を生み出す統計教育への挑戦−プロジェクト型学習を通した統計活用力の育成−」
第 5 回 (2008 年度) のテーマ
「データ活用のための授業モデル−新学習指導要領のための環境整備と協働型学習への展開−」
第 6 回 (2009 年度) のテーマ
「社会の期待に応える統計教育の構築−「資料の活用」から「データの分析」をどう教えるのか−」
第 7 回 (2010 年度) のテーマ
「問題解決力育成を目指した統計教育の方法論(達成目標・授業実践・評価の枠組み)−新学習指導要領の全面実施に向けて−」

今年度は,
『高校入試・大学入試を踏まえ,統計思考力の育成とその評価の確立』
をテーマとして,今年度も前年度と同様に 2 日間に分けて開催いたします.

また,今回は特別講演者として,日本でも大規模に実施される OECD 主催,国際成人版学力調査 PIAAC(25 カ国参加)の数量リテラシー部門の責任者を務める Iddo Gal 教授(次期,国際統計教育協会会長)を招聘し,国民すべてが身に付けるべき 21 世紀型コンピテンシーとしての統計的問題解決力に関するアセスメントの考え方についてご講演いただきます.

昨年に引き続き,身の回りの問題を統計的課題として設定し,課題に応じたデータの収集からデータの解釈,課題解決に向けた提案を行う一連の課題解決型の統計教育を目指した取り組みを取り上げます.皆様からの新たな教育方法への提案,これまでの統計教育の成果,今後の課題,問題提起など幅広い発表を歓迎しております.奮ってお申し込みください.

なお,このワークショップには,日本統計学会の会員でなくても,発表申し込みおよび参加ができますので,多くの方のご参加をお待ちしております.

ワークショップ運営

本ワークショップの場を活用していただき,小学校の児童および中学校,高等学校の生徒を対象に統計教育に関っている教師の方や,大学等高等教育機関で統計教育を担当している教員の方,さらには,ひろく社会人への高度専門職能教育の一環として統計教育に携わっている方々に,日頃の教育成果の発表や相互の情報交換や交流を深めていただければ幸いです.

また本ワークショップにおいては,統計教育全般の質的向上を図り,統計教育に関する業績についての評価システムを確立するため,ワークショップ参加者への継続的専門職能開発訓練プログラム(CPD)の証明を行います.また,特に優秀と認められた研究報告については,日本統計学会が設ける統計教育賞への推薦も併せて行うと同時に,その内容を統計教育WEBサイトにおいて公表します.

プログラム 3月2日(金)「統計教育に関する研究報告」13:00-17:30

13:00-13:10開会の挨拶
渡部 敏明(大会委員長・一橋大学)
竹内 光悦(実行委員長・日本統計学会統計教育分科会主査・実践女子大学)
13:10-14:10 <全国統一試験を通しての統計資格制度の構築−統計検定の今年度実績と今後の展開−>
座長:中西 寛子(成蹊大学経済学部)
  1. 統計検定1級のねらいと試験実施概要
    岩崎 学(成蹊大学理工学部),鎌倉 稔成(中央大学理工学部)
  2. RSS/JSS 共同試験(Higher Certificate)について
    倉田 博史(東京大学教養学部)
  3. 2011 年統計検定の試験結果概要と受験者の傾向
    後藤 智弘(統計検定センター),美添 泰人(青山学院大学経済学部)
14:20-16:00 <高校・大学教育における統計活用力の育成 I>
座長:深澤 弘美(東京医療保健大学医療保健学部)
  1. 高等学校における教科横断的な統計教育カリキュラムの構築と授業実践(スライド
    光永 文彦(実践女子学園中学校高等学校)
  2. 標本比率の分布の認識に及ぼす標本抽出の回数の影響
    小口 祐一(茨城大学教育学部)
  3. 統計教育における電子教科書の応用(スライド
    張 梁,飯塚 誠也,垂水 共之(岡山大学大学院環境学研究科)
  4. 教育用擬似ミクロデータの開発とその提供−統計教育の教材として利用するために−
    山口 幸三,秋山 裕美,星野 なおみ,後藤 武彦(統計センター),伊藤 伸介(明海大学)
  5. 教育用擬似ミクロデータとSPSS を用いた授業実践例
    菅 幹雄(法政大学経済学部・日本統計研究所)
16:10-17:30 <高校・大学教育における統計活用力の育成 II>
座長:小口 祐一(茨城大学教育学部)
  1. 高等学校での数学T「データの分析」に関するアセスメントの提案(スライド
    和泉 志津恵(大分大学工学部),深澤 弘美(東京医療保健大学医療保健学部),櫻井 尚子(東京情報大学総合情報学部)
  2. 不十分な情報のもとでの統計−防災教育の観点で考える−
    船倉 武夫(千葉科学大学)
  3. 2011 年と2012 年度の統計入門の分析−2012 年度の半舷授業の影響分析からセンター試験の分析へ−(スライド
    新村 秀一(成蹊大学経済学部)
  4. 統計教育 16 年の総括(スライド
    新村 秀一(成蹊大学経済学部)

プログラム 3月3日(土)「新学習指導要領の全面実施に向けた統計活用力育成教材とアセスメント問題」10:00-18:00

10:00-11:10 <統計教育教材・統計検定の動向>
座長:田村 義保(統計数理研究所)
  1. センサス@スクールプロジェクトの今後の展開について
    青山 和裕(愛知教育大学数学教育講座)
  2. プロセス能力の育成を目指す授業とその評価−英国 Bowland Maths. を参考にして−
    西村 圭一(東京学芸大学),本田 千春(東京学芸大学附属国際中等教育学校)
  3. 第 1 回統計検定の問題について
    今泉 忠(多摩大学経営情報学部)
12:20-12:50 <特別講演 I>
座長:竹村 彰通(東京大学大学院 情報理工学系研究科)
「成人力」を測る −OECD国際成人力調査の枠組み−(スライド
小桐間 徳(国立教育政策研究所生涯学習政策研究部長)
12:50-14:20 <特別講演 II>
座長(通訳・解説):青山 和裕(愛知教育大学数学教育講座)
The road to statistical (and mathematical) literacy: Some instruction and assessment challenges
Iddo Gal(Department of Human Services University of Haifa, Israel, 国際統計教育協会次期会長, Chair, Numeracy Expert group, Programme for International Assessment of Adult Competencies (PIAAC), OECD)
14:30-16:10 <授業実践事例 I>
座長:西村 圭一(東京学芸大学)
  1. 統計教育の確立に向けた岐阜県統計課の試み〜学校現場における出前講座「データ活用講座」の実践〜
    三島 晃陽,清水 浩二(岐阜県総合企画部統計課)
  2. 中学校1年生の資料の活用における導入の授業についての研究−センサス@スクールのデータを用いて−(スライド
    西仲 則博(奈良教育大学附属中学校)
  3. 問題解決場面における“傾き”の活用に関する教材開発
    佐藤 寿仁(岩手大学教育学部附属中学校)
  4. 中1「資料の散らばりと代表値」における「活用」に向けた「習得」の授業の在り方(スライド
    藤原 大樹(横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校)
  5. 資料を収集し、活用する力の育成〜日常生活における課題の分析を通して〜(スライド
    草開 宣晶(世田谷区立駒沢中学校),橋本 麻衣子(東村山市立東村山第二中学校),石綿 健一郎(練馬区立三原台中学校),西川 慶介(世田谷区立駒沢中学校)
16:20-17:40 <授業実践事例 II>
座長:松元 新一郎(静岡大学教育学部)
  1. 「データの分析」の指導−相関を中心にして−(スライド
    橋本 三嗣(広島大学附属中・高等学校)
  2. 生徒自らが測定したデータの分布を考察する〜高校の情報の授業における実践報告〜
    五十嵐 誠(神奈川県立横浜清陵総合高等学校)
  3. 「教室内で実験ができる!データの採取から分析まで」シミュレーション器材(パッティング機)を用いたデータの分析 教育実践報告〜データの適切な採取から回帰分析と2 群比較まで〜(スライド
    林 宏樹(兵庫県立加古川北高等学校),稲葉 太一(神戸大学発達科学部),荒木 孝治(関西大学商学部),(社)日本品質管理学会関西支部,品質管理教育教材開発研究会
  4. 公開講座における問題解決型統計学習の実践〜「体験ふむふむ数学クラブ」の取り組みより〜
    松本 智恵子(福井大学教育地域科学部),大久保 裕介(元福井県立足羽高等学校),佐分利 豊(福井大学教育地域科学部),竹澤 康宏(福井県立福井東養護学校月見分校),坪川 武弘(福井工業高等専門学校),西村 保三(福井大学教育地域科学部),福田 浩之(福井県立高志高等学校),松田 立行(福井県立大野高等学校),山下 敏明((株)福井村田製作所)
17:40-17:50閉会の挨拶 藤井 良宜(日本統計学会統計教育委員会委員長・宮崎大学)

参加について

その他

参考

第 6 回日本統計学会春季集会
日時:2012 年 3 月 4 日(日)10:00-17:30
場所:一橋大学 東2号館+マーキュリーホール (東京都国立市中2-1)
10:10-11:40 「統計教育の質保証〜国際機関・学協会による大規模アセスメントに関する動向〜」
オーガナイザー:竹村彰通(東京大学)
座長:川崎茂(総務省)
講演1:Iddo Gal(President-Elect of the IASE, University of Haifa)
「Adult numeracy and statistical literacy: conceptual, assessment, and educational challenges(OECD国際成人力調査PIACCの枠組み)」
講演2:Hing-Wang Fung (香港統計学会前会長,Chair of the HKSS Examination Board)[予定]
「香港統計学会における専門統計家育成と認定の取り組み:Joint Examination of The Royal Statistical Society and The Hong Kong Statistical Society」
講演3:竹村彰通(東京大学)
「統計検定を通じた統計分野の質保証」
その他 2 セッション,ポスターセッション

問い合わせ

日本統計学会統計教育分科会
主査 実践女子大学 竹内 光悦(第 8 回統計教育の方法論ワークショップ 実行委員長)
日本統計学会統計教育委員会
委員長 宮崎大学 藤井 良宜
第 8 回統計教育の方法論ワークショップ
大会委員長 一橋大学 渡部 敏明
事務局 鹿児島純心女子短期大学 末永 勝征
E-mail:jim@mathg1.sci.kagoshima-u.ac.jp (ワークショップに関する問合せ)