中高生・スポーツデータ解析コンペティション―2024―の結果

今回も約 170 作品の出品があり、日本統計学会会長・理事長をはじめ、統計学者、統計教育者、数学教育者、スポーツデータ関連識者、など、多くの先生方によって厳正に審査し、以下のように表彰いたします。

総評: 今回も 170 を超える作品のご提出があったことから、今年からスポーツ統計の専門家による予備審査を行い、その後、本審査を行う二段階審査を行っています。このことからルールを遵守、テーマのインパクト、ストーリー性などがより重要視されたように感じます。応募作品をみても、記述統計などで丁寧に検証している作品から、主成分分析やクラスター分析など高度な分析までさまざまなチャレンジをしている点は興味深いと思います。こういう形で「リアルデータに基づき、前処理を覚え、データ分析で結論を紹介する」などの学びの動機づけに繋がっている点はよかったと思います。最近では、動画からデータを作るという作品も多く感じています。特に自由部門でもさまざまなスポーツのデータ分析を行っている点も興味深いです。今年は、野球やサッカーはもちろんのこと、「短距離走」や「テニス」、「ハンドボール」、「バレーボール」「卓球」などもあり、「競技ダンス」や「鬼ごっこ」、「マリオカート」などもあり、スポーツデータの可能性の広がりを感じます。ちなみに今年は以前、本コンペで受賞した生徒さんがその後、大学生となり、学生ながら既にスポーツデータアナリストに携わっているという話やご本人ともお会いできました。その意味でもこのコンペの意義を強く感じています。学びの動機づけもですが、ぜひまずは参加していただければと思いますので、引き続き、よろしくお願いします。

謝辞:一般財団法人 統計質保証推進協会、日本スポーツアナリスト協会にご支援を頂きました。ここに感謝の意を表します。

規定部門
作品タイトル 受賞者および学校名 作品(クリックすると PDF が見れます)
最優秀賞 脱・初心者!!!速攻でつくる勝利へのFirst Step 田中彩葉・片瀬瞳・楠本姫生・佐々木翼(成田高等学校) R12
優秀賞 ファウルを受けること恐れないサッカーの実現に向けて 稲葉拓真・栗田亮平・加藤広大・児玉英靖(洛星高等学校) R04
奨励賞 ダントーニシステムをデータの視点で見る! 孫雅博・池内翔馬・藤本大輝・児玉英靖(洛星高等学校) R02
敢闘賞 日本人だけじゃだめですか? 大竹隼太朗・三穂野円花・馬場絢子・小森晴菜(慶應義塾湘南藤沢高等部) R07
敢闘賞 「打たせて取る」ほうがいい? 伊藤亮健・紀平悠惺・川喜田真也(三重県立四日市高等学校) R10
敢闘賞 どんなディフェンスが勝つ?高校バスケ〜裏 4Factors から探す勝利への道〜 逸見春佳・関根弘和(早稲田実業学校高等部) R01
敢闘賞 勝負強さとは? 〜野球界において私たちの考える“勝負強さ”と統計分析による本当の“勝負強さ”の違い〜 星向日葵・萩尾遼・松尾哲朗(国際基督教大学高等学校) R08
自由部門
作品タイトル 受賞者および学校名 作品(クリックすると PDF が見れます)
最優秀賞 バドミントンのシングルスにおける配球分析による確率モデルの構築 林幸太朗・M祐介(東洋大学附属姫路高等学校) F03
優秀賞 短距離選手において厚底スパイクは神器になりえるのか。 為田素生・川上雄大・梶井廉生・関根弘和(早稲田実業学校高等部) F04
奨励賞 ハンドボール競技におけるゴールキーパーの動作クイックネスとセーブ率の関係 竹本昌起・田中力・黒木桜輔・川口巧太郎・石原世梛・佐藤健太(名古屋大学教育学部附属高等学校) F09
敢闘賞 強打者に注目した野球における最適な打順の組み方 和田稜平・林兵馬(神戸大学附属中等教育学校) F08
敢闘賞 サッカーのキックにおけるシュート速度の最適助走距離 松原龍聖・宮崎零央・判野徹(静岡県立静岡西高等学校) F06
敢闘賞 プロテニス選手の試合での選手の利き手は勝率に関係するのか 土橋慶彦・京尾安祥・長江涼代・平山永遠・守谷明紗・都丸希和(名古屋大学教育学部附属高等学校) F07
日本スポーツアナリスト協会特別賞 ハンドボールでジャイアントキリングを起こすには 高山瑛史・關友明(秋田県立秋田南高等学校) F10
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